“良かれと思ってするのに、現場が困るボランティア”

国際協力ワークショップ 世界のフィールドで働くこと 第二弾

“良かれと思ってするのに、現場が困るボランティア” を行いました!


国際NGOである私たちのカンボジアや東ティモールの学校には、世界のさまざまな国からのボランティアさん達がやってきます。

そして、どのボランティアさん達も、“何かしたい” “自分にできることは?” などの思いを持って来てくれます。そして、その思いからくる、色々な提案を頂くことがあります。

けれど、時にその提案は長期的な目線を持った時に、しばし問題を引き起こしてしまうことがあります。

以前、短期で来ていたボランティアの方からこんな提案を頂きました。

“生徒の寮を見たんだけど、みんなすごく薄いゴザで寝てるから、資金を集めてマットレスを寄付するプロジェクトを立ち上げてもいい?”と。

床に寝ているも同然では、きっと生徒は夜よく寝られていないのでは?と、彼らを思うが故の提案でした。その思いはとても嬉しいものです。

ですが、その申し出についてを学校の運営陣で話し合った時に、こんな意見が上がりました。

"私たちの生徒の多くは村出身で、彼らは普段から家でゴザを使って寝ているので、そもそも不満の声があるのだろうか?。"

“今はみんな自分たちで寝具を持って来ているから、自分のものは自分で責任を持って管理しているけど、それが学校のものとなった時に、マットレスが先々の生徒たち用にも長持ちするよう、みんな大切に扱うだろうか?”

“生徒の目線で、寮にはマットレスがあることが基準となった時、足りなくなったり、買い替えをしなければならない状況が来たとき、学校としてその基準を保つのか?”

違う視点からの、また、少し長期的な目線を持った声でした。


どこの、どんな状況においても、物事が起こっているその裏には、様々な“理由”が存在します。

そういった“理由”を理解すること、その上で、どの立ち位置から、どんな視点をもって事を考えていくか。それが、“何かをしたい”という思いを、状況を“変える”のではなく、“改善”していくための、一つのヒントなのかもしれません。


国際協力ワークショップ、まだまだ続きます。10年現地のフィールドにいたので、私たちも色々とシェアできるネタあります。(笑)

個人グループ、ゼミや学校等への出張講座も行えますので、ご興味のある方はぜひぜひお問い合わせください。


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